自動車学校発のブランド「余市きくらげ」 余市ファーム
2021年夏。自動車学校のコンテナで、きくらげの栽培が始まりました。
なぜ自動車学校できくらげなのか?きくらげはどんな風に育つのか?「余市きくらげ」誕生の物語を伺いに、栽培現場にお邪魔しました。
余市湾を望む町内の余市自動車学校。
学校内の教習コース横に、大きなコンテナが2台設置されています。その中で、壁一面に整然ときくらげが育っていました。
IT技術を駆使して管理されたコンテナは菌床栽培に最適な環境
この日作業されていたのは木村さんと髭本(ひげもと)さん。お二人とも余市生まれの余市育ち。きくらげの成長を見守り、丁寧に作業されています。
札幌の専門学校で菌類の専門的な勉強をされた木村さん。「いつか余市で、きのこや麹などの菌類に関わる仕事がしたいと思っていたんです。そんな時、もともと自動車学校で働いていた私の長年の友人、今の上司の中村さんがきくらげの栽培担当になると聞き、真っ先に手を上げました!楽しくて、ずっと続けたいと思っています。」
木村さんと同級生の髭本さんはきくらげ栽培スタート後の参加。「人手が足りないと聞いて、「余市きくらげ」ってどんなものだろう?と余市ファームのホームページを見たんです。そうしたら余市の名産、ブランドを作りたい。この土地で初めてのことをする、という思いを知ってわくわくして。やったことのないことにチャレンジしたい!と思ったんです。」
手の平より大きなきくらげ。かさの裏が白いのは新鮮な証拠
きくらげ栽培は「子供を育てるように可愛い」「成長したきくらげの色や質感がきれい」など、様々な喜びや面白さがあるそうです。
3週間から1ヶ月の生育期間を経て、手のひらより大きなサイズのきくらげが次々と収穫されます。10センチ×7センチ以上、厚さ3ミリ以上のものは「日本きくらげ」として出荷します。
余市ファームでは、その規格には満たないものの味も品質も変わらない品を「余市ファームの無農薬きくらげ」として販売。このサイトでも生きくらげ、乾燥きくらげを販売しています。
一つ一つ手作業で石づきを取り除き、良質な余市の水で丁寧に洗う
少子化により自動車学校の生徒数が減少、新しい事業を模索するなか行き着いたという「余市きくらげ」。
子供を育むように大切に育てられたきくらげは上質なビロードのようにしっとりと耀き、余市の新ブランドを確立するという気概と、好きなことに携わる人の喜びがその身に宿っているようです。
美肌や腸活、貧血予防などのキーワードから女性の注目度の高いきくらげ。
無農薬で国産、しかもメイドイン北海道、余市の自動車学校で生まれた「余市きくらげ」の今後に注目です。
〒046-0025
北海道余市郡余市町富沢町6-12
TEL:0135-22-3393
FAX:0134-22-6550
余市ファームのサイトではレシピも掲載しています
撮影・文 田口りえ